年があけ、はや一ヶ月がたちます。そして、志望校合格のたよりも届いてきました。今月号から、そのご報告も始まります。

さて、その中から今回は、O君のお話です。いまでは、とてもやる気にあふれ、何事にも前向きなO君ですが、実ははじめからそうだったのではありません。昨年の春ごろはまだ、本当にどこにでもいる普通の小学6年生。落ち着きがなく計算ミスばかり、問題をやらせようとすると「え~っ」、宿題を出すと「そんなにぃー」と否定的な言葉ばかり。一度は、プリントを配布したとき、あまりに文句を言うので「そんなに言うんならやらなくていい!」と怒ったときさえありました。その後、静かに付け加えます。O君には、ただ勉強の出来るだけの子にはなって欲しくない、良い意味でリーダシップを発揮し、みんなと切磋琢磨できる存在であって欲しいと。

それからだんだんとO君は変わっていきます。プリントを配ると、まだ宿題にしていないのにもう全部終わらせてきます。テキストの問題をやらせると「終わりました」と、次にやる所の催促です。教室の雰囲気も変わってきました。O君に負けじと、N君もプリントを終わらせてきました。Iさんは、小テストでO君よりも先に満点をとるといってがんばります。

そのO君が、先日、「合格だより」の原稿を持ってきてくれました。それを受け取ったとき、私は涙が出そうなほど嬉しかった。だって、いつも字が汚い(ゴメン)O君の字が、このときばかりはちゃんとしているんだもん…</

後日談

それから6年後の春、O君は早稲田、慶応をはじめついに東京大学(!)へ見事、合格します。